飯下の建設職人さんは全国レベルの技術を持っています

組子で内閣総理大臣賞受賞(2年後にも厚生労働大臣賞)
全国建具組合主催、第35回建具展示会(平成13年6月)で「夏障子」
と題した建具が見事、最優秀賞の内閣総理大臣賞を受賞しました。
この建具(組子)を作成したのが、塩澤正信さん(鼎支部:級籾V工芸)
小学校4年生の頃、親と一緒に大会に行き「人間技ではない、こんな
作品をいつか自分も作ってみたい」と修行に励みました。受賞当時の
年齢は27歳。今までの受賞最年少記録29歳を2歳も下回る快挙でした。
2年後にも同大会で厚生労働大臣賞を受賞する作品を手掛けています。
原図は日本画家の林和緒先生に鉛筆で下書きをしてもらい
先生の指導を受けながら塩澤さん本人が着色。
「清流と雲」を素材そのものが持つ色(古くは2千年前の色
の濃い木から)だけを使って見事に表現しています。
もちろん、糊や接着剤は使っていませんので、コンマ何ミリ
の世界で鉋引きをしては、はめ込んでいます。

上の原図から総数15万個の組子を使用して完成


2001年内閣総理大臣賞受賞作品「夏障子」→


※塩澤さんは平成20年6月で組合を辞められておりますが、組合員さんであったときの輝かしい
 功績でありますので、継続して掲載させていただいております。

“さしがね”を使った「規矩術」(四方転び作成)で全国2位
全国建設労働組合総連合(全建総連)主催の第20回青年技能競技
大会(平成16年10月)で伊藤和夫さん(喬木支部:泣Rヤマ営繕)が
見事2位(銀賞)を受賞しました。共通課題の木製脚立(四方転び)の
原寸図面書きから組み立てまでを6時間以内に行ない、完成度の高さ
を競い、全国から勝ち抜いてきた77名の中から今回の受賞となりました。

【四方転び組み立て中の伊藤さん】

過去に全国大会に5回出場し、4位入賞もしている伊藤さんでしたが、
その気の緩みから、受賞年の翌年には予選落ちになることも。
しかし、この経験をバネにして一から出直し。本人の努力はもちろんで
すが、事業主さんや仲間の協力があって、今回の受賞に至ったと語っ
てくれました。

【完成した作品と受賞の銀メダルと共に】


技術を中学校「木工教室」で指導した生徒さんが全国5位
第7回全国中学校創造ものづくり教育フェアの「めざせ木工の技チャン
ピオン」大会(平成19年1月)に飯田市旭ヶ丘中学校の熊谷雄太君が
出場し、木製ラックを製作。全国第5位となる全日本中学校技術・家庭
科研究会長賞を受賞しました。熊谷君は「ものづくり」が好きで、中学
校の選択科目は技術科の「木工」を履修。その中で組合の学校教育
協力事業「木工教室」で伊賀良・山本支部の大工さんが指導。
 【矢澤会長(当時)と熊谷君】

特に担当地区でもあったため、大会当日の道具の手入れまで
は矢澤会長(当時)がお手伝いしました。「組合が学校教育協力
事業を始めて15年。地元の生徒がこれほどの成績を残したの
は最高と言うほかない(矢澤会長談)」熊谷君は春から高校生と
して将来の夢「エンジニア」に向かって、一歩を踏み出しました。
  【熊谷君の木製ラック】

※平成15年にも豊丘中学校で指導した松下哲也君が同大会で木工部門審査員特別賞(5位)を
 受賞した実績があります。当時、松下君の将来の夢は学校の先生でした。さらに、平成21年
 にも同中学校木工教室で指導した木下裕太君が同大会で全国中学校産業教育教材振興会賞
 (6位)を受賞しました。
※学校教育協力は、飯田市・下伊那郡の中学校で、平成4年から継続している事業です。

緑ヶ丘中学校の技術部で指導した生徒さんが全国1位

令和2年1月に開催された中学生ものづくり全国大会で、組合員さんが
外部講師として指導した、桐生明空(あきら)さん(技術部・2年生)が
最優秀賞(全国大会での最高賞。同部では初の快挙)を受賞しました!
【南信州新聞:令和2年2月2日掲載】
新聞記事抜粋(PDF)

飯田下伊那の小中学校技術担当教諭に鉋の調整指導
平成19年9月13日に、技術・家庭科委員長(上久堅小学校:中村
達雄校長)の依頼を受け、飯田下伊那の小中学校技術担当の先生
方に鉋の調整や手入れについて講習を行ないました。会場となった
豊丘中学校には、約20名の先生方がおられ、本部から2名、豊丘
支部から4名、計6名の大工職人が講師として出向き、鉋の刃研ぎ
台座の調整、鉋刃の出し方まで、指導してきました。
今までは、中学校木工教室開催前に、担当地区の大工職が鉋の
手直しをしていましたが、これからは、先生方が調整をされていける
よう、丁寧に指導を行ないました。
            
 【砥石を使って刃を研摩】  【台座と刃の出方を調整】   【仕上がった鉋で試し削り】

学校教育協力活動は、「ものづくり」に対し興味を持ってもらうことはもちろん、キャリア教育
への積極的な支援をし、円滑な就職・進学に向けた環境整備も支援していくことを目標に
掲げ、平成23年度から
飯下建設業人材育成支援センターの事業に移行しました。

狭き門の信州伝統大工1級技能士。飯下から2人目誕生

信州職人学校は伝統を未来につなぐ新たな時代の大工棟梁を
育成している学校です。訓練修了後、学科・実技試験に合格
されると信州伝統大工1級・2級(長野県技能評価制度に基づき
県知事名の合格証)が交付されます。飯下建設から平成23年度
1級合格者が誕生しました。
合格率28.6%の狭き門を突破された方は、宮澤泰弘さん(松川
支部・建築大工・笈、工)です。実技試験の課題作品(木組み)は
一見椅子に見えますが、継ぎ手や仕口など、在来工法の技術が
必要で家一軒を建てるための技がつまった作品になっています。
毎年6月入校の新規受講生は4月から募集予定です。自分も挑戦
してみたい!意欲のある方は組合事務所までお問い合わせを。※

【1級技能試験実技の課題作品】

(※信州職人学校は平成27年度で閉校となりました。)

瀧澤さんの課題作品を組合
事務所に展示してあります。
一見の価値がある作品です。

平成24年度の合格率は11%と、またまた狭き門で合格者は1名
だけでした。この難関を突破された方は、瀧澤貴是さん(松川支部・
建築大工・瀧澤建築)です。飯下の職人さんの技術の高さを県下
に披露していただきました。

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