本日は、基本講座と入門講座コースとOB生対象の授業で、午前中は信州職人学校の宮澤郁夫講師による「数寄屋の技術」の授業でした。
宮澤講師からは数寄屋建築の書院造りと茶室作りの技術がいくつかの建築例から紹介され、今私たちが作る床の間、違い棚などは大工たちの創意と工夫によって、厳格な書院造りから簡略化された数寄屋造りの流れに変わり、変化を伴いながら伝承されてきたことを学びました。
また、数寄屋・茶室は4畳半が基本で、5枚の畳は用途により、床前「貴人畳」、客が座る「客畳」、亭主が点前をする「点前畳」、亭主が出入り口から点前座に通う「踏み込み畳(通い畳)」、炉が切られる「炉畳」の名称があり、小座敷になるにつれ、柱も角材から丸太にというように構法も変化してきたことも学びました。
午後は、第21回公開講座で「住宅の温熱環境と伝統的民家の知恵」でした。
講師には、一級建築士事務所ビオフォルム環境デザイン室代表で、環境建築家でもある山田貴宏氏をお招きしました。
山田講師は、建築は風土との係わりから育まれ、日本の住まいは「夏を旨とすべし」から断熱、気密、蓄熱性が必要とされる温熱環境を調整することにあると講話されていました。そのほか温熱環境とエネルギー消費の基礎知識、省エネの熱損失係数の求め方~Q値→UA値・Mc値などについても学び、普段聞きなれない建築の環境について、深く考える機会となりました。
講義の中で、足立エコアパート~畑付きアパート、藤野の家プロジェクト~里山長屋暮らし(4家族がアイデアと資金を持ち寄る)などの事例紹介がありました。特に、里山長屋暮らしについては、この10月1日に学芸出版社より刊行されたばかりの山田貴宏著書「里山長屋をたのしむ」に詳しく紹介されていることもあり、多くの受講生が参考にしたいと買い求めていました。
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