6月から始まった、第3期信州伝統大工基礎コースと入門コースの授業は、本日が最終日となることから、6か月間、13科目の学科と5科目の実技講座及び4回の公開講座を振り返りました。
受講生からは、「毎週土曜日に事業主や家族の理解を得ながらの授業は苦労したが、仲間づくりをしながら、木造構造力学、信州の地盤などの学科や、規矩術、新伝統構法の実習が大変参考になり、日常の業務に少しでも役立ていきたい」と決意表明がありました。
その後は、第22回公開講座「日本の文化 竹に心惹かれて」でした。講師には長野市篠ノ井で親子三代で「竹の仕事人」として活躍され、長野県の卓越技能者として、知事表彰を受けられた小出 九六生氏をお迎えしました。
小出講師によると竹の種類は真竹、孟宗竹、笹竹など日本には600種、世界には1200種あり、竹の休息期に伐採するのが良い時期で、洗うことによって仕上がりを良くしており、大切なものはもみ殻で洗う事もあるとのことでした。
「プラスチックが出回って来た頃が一番苦しかった時期だが、悪い時がチャンスだととらえ、竹への思い、竹の良さ~竹が与えてくれる安らぎ~からあきらめず、辞めずに仕事をしてきた」と熱く語っておられ、別所温泉の常楽寺「お船の松」、善光寺本堂前庭の「麻の葉垣」・「山なみ垣」・「端竹垣」などの作品紹介がありました。また、垣根の特徴は信州の山並みをイメージして、波を打つようにと心掛けているとも話され、大変参考になりました。
午後は、修了式でした。
受講生15名には林衛建設労連執行委員長より修了証書が授与されました。また、長野県松本技術専門校春日泰智校長からは、スキルアップ講座修了証が授与されました。ご来賓の方々から、お祝いのお言葉をいただいた後、修了生各人がお世話になった講師の方への御礼とこれからの抱負を述べ、最後に記念撮影をして、半年間にわたった信州職人学校の授業を締めくくりました。
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10月26日の授業「木造積算3・2級実技試験練習2」