午前中の授業は、上田市在住の林材ライター赤堀楠雄氏を講師に迎え、「日本の山林と木材」の講義でした。
前半は、「国産材をめぐる動向について」として、木材流通の基礎知識や流通構造の変化の進行、大規模化と地産地消に二極化、製材品のB材が出現したことで林業の生産現場を変えたことなど国産材流通フローチャートを使いながら解説がありました。後半は、豊富な取材経験を生かした講義で、日本林業の課題を掘り下げ、林業経営が成立するには質の高い木を有利に販売できる環境を整える必要があることを理解しました。
午後の授業は、上田市真田町の設計事務所「しみず建築工房」代表で、「信州カラマツ板倉の会」代表でもある清水国寿氏を講師に迎えた「木造の設計」の授業でした。
清水講師は、国産材、特に信州カラマツの無垢の厚板を使った「板倉の住まい」を作っているとして、板倉の歴史・土蔵の歴史、板倉の種類(井籠倉・校倉・はめ板倉・落とし板倉)などで事例解説がありました。、板倉構法でご自身が建築した板倉住宅4例の実例紹介があり、また、福島県の仮設住宅200戸も板倉住宅であると紹介がありました。
「現代の板倉構法は四寸角構法ともいわれ、4寸角材と1寸の厚板を使い「落とし板倉構法」で住宅の基本構造(土台、柱、梁、壁、床など)を造っている。この板倉構法は国産材、地域材を使用し、木工事の割合が工事費の40~50%とコスト削減になり、無垢材のみで家が作れるなど優れた特徴を持っているので、もっともっと需要拡大に繋げていきたい」と解説がありました。受講生は建て方など興味深く熱心に質問していました。
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6月28日の授業「木造構造計画1・2」