本日は、一級建築士事務所ビオフォルム環境デザイン室代表であり、環境建築家でもある山田貴宏氏を講師にお招きして、「住宅温熱環境」の授業でした。
山田講師はまず、「住まいは風土、気候、自然の恵みとのやり取りの中で培われた技術と知恵が集積している。技術と産業は発達して、我々は自立したが、逆にさまざまな関係が失われた。はっきりとした四季のある日本の住まいは”夏を旨”とすることを選択して、より開放的なつくりに進化してきたが”冬を旨”とした対応も必要である」と事例紹介しながら、温度・湿度・蓄熱度などを計測できる器具を用いての解説もあり、今後の住まいには、通風、断熱、気密、蓄熱の4要素の温熱環境のコントロールに論議が必要と講義がありました。
また、省エネ法改正により、温熱環境の評価が床面積評価から外皮面積評価へ変わるとして、断熱性のQ値→U値、気密性のC値、μ値(夏期日射取得係数)→η値(平均熱日射取得率)の数値等で住まいの温熱環境についての知識を実際に計算してみながら学びました。後半には、ご自身が携われた「足立エコアパート」、「藤野の家」などや著書「里山長屋をたのしむ」を紹介しながら、”足し算の建築”から”掛け算の建築”を目指すようにと話されていました。
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7月26日の授業「総合施工実習3.4」