本日午前中は、秋山恒夫講師による「伝統建築の研究」の授業でした。
講義では、新潟方面に行った研修旅行(7月20日~21日の2日間)で、見学した「こまくさ保育園」と「越後森林館」の構法について、一緒に考察しました。
「こまくさ保育園」の発注は社会福祉法人こまくさ福祉会で、「越後森林館」の事業主は、新潟県森林組合であり、両施設とも基本設計者は村尾欣一氏、施工は小川正樹氏(斑鳩建築)が携わっている。こまくさ保育園は大黒柱に根曲がり杉4本を使った八角形、越後森林館は大黒柱に樹齢100年以上の根曲り杉6本を使い、杉やカラマツなど17樹種を使った六角形が特徴で、かぼちゃ束などの構法が使用されていることを学びました。
後半は、鳥取県にある特異な懸崖造りの「三仏寺投入堂の建立の謎」と題して、崖の中腹にどのようにして建てか、大正の大修理と平成の修理の内容についての講義があり、先人の苦労を学びました。
午後は、信州大学工学部の土本俊和教授よる「木架構の推移」の授業でした。
土本講師が執筆した信州職人学校オリジナルテキスト「木架構の推移」には、全国各地、中国、ヨーロッパなど各地を廻って、調査研究した建造物の写真・資料の解説があり、特に”棟持柱”の建築は木架構の推移を考える上では重要な要素となることなどを信大の聴講生と共に学びました。また、「建造物は、法隆寺型変容、伊勢型変容、善光寺変容と三つに大別出来るが、職人は古い職人(先人)をともなわなくても、古い建造物を参照して、新しい建造物を造ることができる、つまり”継承することが出来る”ことを学んで欲しい」と説明がありました。
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