午前中は、藤森久弘講師による「木造生産・経営2(積算)」の授業でした。
前半は、前回学んだ「大工別手間部位別単価方式」について、これまでの人工数と日額単価による大工手間の考え方と違い、建物の躯体や床・壁・天井(面積)や内のり(長さ)、開口部(箇所)など建物の部分部位別に単価を設定し、それぞれの数量に乗じて計算して、受・発注やコストを把握をする方法であることを復習しました。また、時間とコストを強く意識しすぎると、大工職人自身による施工改善への意欲や待遇改善には繋がらないことも学びました。
後半は、「伝統的木造住宅と大工の役割」についての講義でした。
「近年は木のぬくもりのある家、安らぎのある自然素材の家が脚光をあびて、”木の家”が見直されてきているが、かつての棟梁達は現場をすべて任され、間取りの作成から見積書作成、各職方の手配、材料の調達、品質の管理等、統括的棟梁としての役割を担った。しかしながら、今日の大工は、せまい意味の大工職に甘んじている。これからは、伝統技術を習得し、広い知識と技術を兼ね備え、志を高く持ち、職場全体を掌握し、職方の中心になる大工が期待されている」として、①木質系の住宅工法の種類や特徴、②設計図書の完成、請負契約方式、③伝統的和風住宅の造り方などを学びました。
午後は、秋山恒夫講師による「1級学科模試・補講」の授業でした。
学科試験の事前対策として、6か月間の授業を振り返って、(1)木造の歴史と文化は①日本の建築②各職の技術③各地の建築④世界の木造、(2)木材は山林、(3)構造計画は①構造②構造実験、(4)木造施工は①木造施工②規矩術③民家再生、(5)木造生産は積算、(6)住宅計画は①空き家②住宅計画③木造の防火④環境計画の6分野・21科目の内容を復習しました。その後、模擬試験に臨み、採点と解説がありました。