■氏名 宮澤郁夫(みやざわ いくお) ■経歴 昭和21年長野県安曇野市三郷生まれ。 同41年地元工務店で年季明け、昭和48年職人として、地元山共建設の仕事で東京新宿区に80坪の住宅、茶室の工事に携わり、その後京都伝統建築技術協会創立時に入会、数寄屋、書院建築を学ぶ、世田谷区、八王子で書院造に付随する茶室を施工、地元安曇野市でも本格的な茶室を施工。 山共建設、降幡廣信氏の仕事で新潟より移築再生を始めとし県内各地で施工、安曇野市三郷の真光寺年は足掛け3年本堂・庫裏を再生住居棟と施工、最近では2007年パリ市内国立博物館内への民家移築再生、昨年はパリ市郊外ルイビトン社経営のテーマパーク内への民家再生を行う。 現在北安曇郡松川村に県産材活用貫工法「伝統工法で作る土壁の家」を施工中。 ■主な保有資格:一級建築大工技能士・二級建築士・職業訓練指導員・増改築相談員・二級施工管理技士・長野県木造耐震診断士・長野県被災建築物応急危険度判定士・専攻建築士:棟梁(数寄屋造・古民家再生・伝統型木造住宅) ■所属事業所 宮澤建築 399-8102 長野県安曇野市三郷温7425-2 電話 0263-77-4396 Mail i-miyazawa@fb3.so-net.ne.jp ■自己PR 安曇野に生まれ育ち、大工仕事木造建築一筋に過ごしてきた私は、出会えた親方、職人仲間、先人が残してくれた建物、地元の山共建設株式会社、降幡広信氏、京都の中村昌生先生など、多くの人たちとの関わりを持てたことが、私にとり大きな財産となった。 木の家、伝統に裏付けされた様々な知恵と工夫、高い技術と技能を次世代へ伝えるための若者の育成、弟子を育てる大切さ、木を見て、墨をつけ、刻み、ほる、削るそして建てる大事なことは、自分の手で行うことだと思います。それには本来木造のあるべき姿のわかる、建築家(設計士)と本物の家づくりを理解してくれる施主、両者の期待に応えるべく技術を持った大工を主とした各職の職人たちです。 私も今までに蓄えてきた経験を、伝えるべき若い大工と向かい合い、仕口、継ぎ手を大事にし、芯のしっかりした日本人が愛し、育ててきた木の家、本当に長く住まえる家を施主と共に建てていきたいと強く思います。 |
八王子聖蹟桜ヶ丘の書院と茶室 |
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上段左:書院 仕上がり間近の書院手前が茶室ー書院造の座敷、柱は北山杉の面皮、造作材、天井板:吉野杉・床框:輪島塗、床脇違い棚、地袋天板:栂鰆を使い、座敷境の敷居は取り外し可能、吊り束などにも細工を施す。 上段右:座敷と連なる茶室 床柱:赤松、面皮柱、磨き丸太は北山杉、駆け込み天井は黒部杉のへぎ板、腰貼りは古文書の二段貼り、京間の席は4畳半で京都聚光院の枡床の席を模してある。 下段:水屋簀子棚持ち送りは猪目棚下段は桟だな、天井は駆け込みー広めの水屋は胴庫を備えている。流し部分は竹簀子銅板受け、腰板幅は1.6尺の杉板、簀子棚持ち送りは猪の目に彫、下・中通り棚は桟棚となり、胴庫建具はケンドン、棚板は可動になっている。 |
移築再生:再生(県外に建てられた築85年を経過した民家を施主様が購入したもの) |
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上段右:新潟県能生地域に見られた大型の民家。 切妻屋根に出桁が施され豪雪に耐えられる太い垂木、太めの柱にはケヤキ材、多くは杉の柱が使われていた、座敷周りは違い棚付の格式ある本床の構えであり、一部外部に損傷は見えたが、充分移築に耐える民家でした。 上段左:移築先は松本市、建築を充分知り尽くしたお施主さんで一部部屋の向きを変える程度で元の部分を大事にしていただいた、色づけされた木材と内外漆喰壁の白と民家の持つ雰囲気は満足でき、二階の子供さんが使う部屋の天井は低めだけれど楽しんでいてくれる。 下段:床の間は向きを変えて再生、違い棚などの剤は以前使われていたものを使用する、木割法を理解し各部材寸法、空き、間隔、など整理された構成は今の大工たちの良いお手本となる姿であり、風格を持った端正なつくりとなっている。 |
再生工事 |
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上段左:築250年長い歴史を持つ家の解体は、建築職人にとってとても良い教材となる。 先人の技を見る絶好のチャンスでありその高い技術を受け継ぐときでもある。 上段右:本棟の象徴ともいえる雀踊り、材種:サワラ材 新規に取り付けた破風板は二重とし継ぐことない長さを確保できた。 下段:本棟造りの体裁がよく保たれている、破風板につけられた懸魚が、家の格の高さを表す。 |
伝統構法で作る土壁の家 |
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平成23年1月17日より建て方作業に入る、大黒柱は桧300角棟木までの通しとなる。雪の舞う中二階梁の取り合い、三方差、四方差、貫を通しながらの作業は組む順序が決めてとなる。伝統工法のこの建物は、金物は最小限に止め筋違は2丁のみ、構造材下地材は、桧、杉材共に根羽村森林組合より納品、一部は岐阜県白鳥林工協業組合より長良杉を使用。 |
茶室のある住宅(松本市) |
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住宅に併設された4畳半台目水屋を備えた茶室は、高度なお手前、茶事に室礼とはばひろく使い勝手を考慮した仕上がりとなりました。室内は駆け込み天井、平天井、落ち天井の構成で変化をつけ、台目手前座には利休好みの二重棚を備え床の天井には吊り花蛭釘、楊子柱に柳釘を用意してあります。 上段右:網代貼り・スギ網代貼りの平天井女竹寄せ打ち上げ4分の蛭釘を備える。 下段左:茶室正面・床柱赤松皮付き丸太、中柱辛夷皮付き丸太、床框スギ磨き丸太半割、本畳敷黒縁 下段右:台目構え・台目畳を敷き霧の二重棚袋掛け釘を備える、天井真菰貼り、腰張りは奉書紙一段 |